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マンションの大規模修繕で周期の違いがあるのはなぜ?12年?15年?18年?

大規模修繕工事の間隔は、マンションによって異なり、10年ごと、12年ごと、あるいは15年ごとと、期間はさまざまです。

皆さんのマンションでは、大規模修繕のスケジュールはどのくらいの周期で設定されていますか?

一部のマンションでは10年周期で計画されていることもあれば、15年という設定を採用している場所もあります。

マンションは耐久性が高い建物とされていますが、毎日の気象条件や時間の経過により、少しづつしかし確実にその状態は変化していきます。

大規模修繕は、こうした経年による劣化を防ぎ、建物を長持ちさせるための重要な措置です。

通常、このような修繕は10年から15年の周期で行われることが多いですが、適切な周期はどの位なのか疑問ではありませんか?

この記事では、大規模修繕工事の適切なタイミングと計画のポイントに焦点を当てて解説します。

大規模修繕工事の流れや費用を知りたい方はこちら

大規模修繕工事の流れと進め方を解説!周期や費用、成功させるポイントを紹介 – 大阪のリフォーム・不動産の会社

大規模修繕工事の周期や回数は明確なルールや決まりはない

マンションの大規模修繕工事の周期には、決まったルールはありません。一般的には、マンションの状態や使用されている材料の耐久性、住民の合意に基づき、各マンションがその周期を自由に設定します。

大規模修繕のタイミングは建物の劣化具合によって決まります。特に外壁や屋根、共用部の設備などは、日々の使用と自然環境の影響を受けて徐々に劣化するのです。

そのため、これらの部分は一般に10年から18年ごとに修繕が必要とされており、定期的な診断と専門家の評価が重要です。

また、エレベーターや照明などの設備も、技術進歩や使用状況に応じて更新が必要になります。

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは、これらの修繕周期を管理組合が計画する際の参考として、各材料や設備の耐久年数が示されています。

これにより、建物が長持ちし、快適な暮らしが続くでしょう。

 参照:国土交通省「令和5年度マンション総合調査 管理組合向け調査の結果」

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関連記事:マンション・ビルの大規模修繕費用相場とコスト削減のポイント

よくある大規模修繕工事の周期

大規模修繕工事の周期は、マンションによってさまざまですが、一般的には12年15年18年10年の周期で行われることが多いです。

これらの数字にはそれぞれ根拠があり、マンションの保全に最適なタイミングを見極めるための基準とされています。

12年

12年周期で大規模修繕が行われる主な理由は、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインに基づいています。このガイドラインでは、建物の一般的な劣化状況と対応する修繕のタイミングが示されており、多くのマンションでは12年を一つの目安としています。

また、建物の主要な構造部分や外装の検査が必要とされる期間も、おおむね12年ごととされているため、この周期での修繕が選ばれます。
参照:長期修繕計画ガイドラインの改定内容と注意点を分かりやすく解説!

15年

15年周期の修繕は、建物の外壁塗装や防水工事の耐用年数が関連しています。一般的な建材の耐久性を考慮した場合、15年を目安に修繕を行うのが一般的です。

この期間には、色あせや劣化が顕著になり、修繕を行うことで建物を長持ちできます。

18年

18年周期での修繕は、特に大規模な改修が必要な場合や、建物に特殊な設計が施されている場合に選ばれることがあるのです。

このような長い周期は、初期の建設時に使用された材料が非常に高品質である場合や、特別な維持管理が行われている場合に向いています。

10年

10年周期での修繕は、比較的早めの介入を必要とするマンションや、劣化の進行が早い環境にある建物で採用されます。

この短い周期での修繕は、建物に小さな不具合が見つかった際、早めのメンテナンスが大切です。小さな問題に気づいてすぐに対処することで、大きなトラブルに発展するのを防ぎ、結果的に修繕費用を抑えることができます。

参照:令和3年度マンション大規模修繕工事 に関する実態調査

マンション修繕の周期が12年に設定されやすい理由

マンションの大規模修繕周期が特に12年周期で設定されることが多いのには、具体的な理由があります。

法的なガイドライン材料の耐久性定期的な建築物調査のスケジュールが必要です。

国交省の長期修繕計画作成ガイドラインに記載があるため

国土交通省が発行している長期修繕計画作成ガイドラインは、マンションの大規模修繕の推奨周期として12年を示します

このガイドラインは、マンションの管理組合が修繕計画を策定する際の重要な基準となり、具体的な修繕の時期や方法を決定する上でのガイドとして機能し、建物の劣化状況と安全性を考慮した科学的な修繕周期の計算方法を解説しており、マンションが計画的に修繕を進めることを促しています。

法的な裏付けとともに、マンションの設計や建設には、様々な技術的な基準が用いられているのですが、この周期もその一つとして広く採用されております。

これにより、計画的かつ効率的な修繕が可能となり、長期にわたって建物の価値を維持しやすくなるのです。

このガイドラインに従うことで、マンションの維持管理がよりシステマティックに行われ、住民の安全と快適な住環境が確保されます。

一般的な塗料や防水材などが劣化するタイミングに合わせる

建物の外壁塗装や防水処理は、通常10年から15年の間で劣化が進むとされています。特に日本の多様な気候条件の下では、メンテナンスや修繕は、12年程度を目安に行うと良いでしょう。

12年周期での修繕計画は、一般的な塗料や防水材の耐久性を考慮に入れ、建物を常に良好な状態に保つことを目的としています。さらに、この周期でのメンテナンスを行うことにより、外壁や防水層の劣化による漏水や色褪せを効果的に防げます。

建物全体の寿命を延ばし、美観を保つことによって、不動産としての価値を高められるでしょう。

定期的な修繕は、建物の品質を長く保つために非常に重要であり、住民が安全に、そして快適に暮らすための環境を守ります。

特定建築物定期調査の実施時期が12年である

日本の法律では、特定の大規模建築物に対して定期的な調査を義務付けており、その周期が12年と定められています。

この定期調査は、建物の安全性や劣化状況を詳細にチェックするために実施され、建物の維持管理において重要な役割を果たすのです。調査によって明らかにされた問題点に基づき、必要な修繕や改修を行うことができ、これにより建物の安全と快適性を長期にわたって維持できます。

耐震性や防火性など、住民の安全に直結する要素のチェックは、この調査の中で特に重視されています。

上記の理由より、多くのマンションは大規模修繕の周期を12年と決めています。この周期は、建物の持続的な保全と効果的な資源利用のバランスを取る上で、非常に合理的な選択とされており、マンションの価値を維持し、住民の生活品質を高めるために重要です。

住民の皆様にとっても、定期的な修繕は、住み心地の向上だけでなく、安全性を保ちながら、安心して生活できるようになります。

大規模修繕と診断の必要性

マンションの大規模修繕を成功させるには、事前診断が不可欠です。この診断は、建物の劣化具合や安全性を評価し、構造の安全性設備の機能性外観の美観性をチェックすることで、大規模修繕に必要な修繕箇所を決めていきます。

プロセスは、管理組合と専門家が協力して診断の範囲を定め、現地調査後、詳細な報告書を作成し、修繕計画を策定する手順で進められます。

例えば、あるマンションでは定期診断で防水層の劣化が早期に発見され、大規模な水漏れを防ぎ、修繕コストも削減されました。

このように定期的な診断は、予想できないトラブルを防ぎ、安全で快適な住環境を保ち、経済的負担を軽くするために、マンション維持管理には欠かせません。

対象部位別の目安

マンションの大規模修繕計画を立てる際、建物各部の劣化具合を把握することが重要です。

外壁と屋根は環境要因により劣化が早く、通常は外壁塗装を10年ごと、屋根メンテナンスを10年から15年ごとに行うことが望ましいです。

一方、共用設備のメンテナンスも重要で、エレベーターや給排水設備は安全性維持のために定期的な点検が必要で、特にエレベーターは15年から20年ごとの大規模メンテナンスが求められます。

内装修繕は居住者の使用状況に依存し、フローリングや壁紙の張り替えは10年から15年が目安ですが、使用状況により頻度が変わることもあります。

防水層のメンテナンスは、主に屋上やバルコニーに施されており、10年から15年ごとの点検が重要です。これは、劣化による水漏れを防ぐために不可欠です。

これらの目安は建物保全と住民の安心した生活維持のためのガイドラインとして機能し、修繕計画は建物の状況に応じて柔軟に調整されるべきです。

定期的な診断と専門家の意見を元に修繕を行うことがマンションの寿命を延ばします。

関連記事:マンションの大規模修繕を徹底解説!費用相場・工事内容・助成金活用まで解説

大規模修繕は建物の劣化状況を見極めて周期を設定しよう

マンションの大規模修繕は建物の寿命を延ばし、居住環境を維持するため重要です。

劣化の評価は視覚的調査専門的診断住民のフィードバックを通じて行われ、必要な修繕箇所と緊急性が明確にされます。

修繕計画は、劣化の程度に応じて優先順位を設定し、予算とスケジュールを計画します。

日当たりの強い壁の修繕を優先することで、効率的な修繕が可能となり、コストを抑えられるのです。

定期的な評価と適切な修繕により、建物の長期的な価値を維持していきたいものです。

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