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マンションの大規模修繕を徹底解説!費用相場・工事内容・助成金活用まで解説

マンションを購入・所有していると、いずれ避けて通れないのがマンションの大規模修繕です。

建物を長持ちさせ資産価値を維持するためには、計画的な修繕が欠かせません。しかし「大規模修繕って何をするの?いつ頃必要?費用はどのくらい?」と悩む方も多いでしょう。本記事では、マンション大規模修繕の基礎知識から費用相場、進め方のポイントまで初心者向けに詳しく解説します。大切なマンションを安心して維持するために、ぜひ参考にしてください。

「うちのマンション、そろそろ大規模修繕が必要かな?」と感じたら、まずは専門家に相談して建物診断を受けてみましょう。

早めに現状を把握し計画を立てることで、スムーズかつ適正な費用で大規模修繕を進められます。

大規模修繕工事の流れや費用を知りたい方はこちら

大規模修繕工事の流れと進め方を解説!周期や費用、成功させるポイントを紹介 – 大阪のリフォーム・不動産の会社

マンションの大規模修繕とは何か

マンションの大規模修繕について

マンションの大規模修繕とは、建物の経年劣化部分をまとめて補修・改修する大がかりな工事のことです。築10年ほど経過して外壁の塗装劣化や防水機能の低下などが目立ち始めたタイミングで、建物全体に足場を組み一斉に工事を行います。具体的には屋上や外壁の防水工事、外壁塗装・ひび割れ補修、鉄部(手すり・階段など)の塗装、シーリング材(目地ゴム)の打ち替え、共用廊下や階段の床補修など多岐にわたります。
マンションによっては劣化状況に応じて給排水管や設備機器の更新も実施されます。

大規模修繕工事は一度きりではなく、マンションが存続する限り周期的に繰り返す必要があります。一般的な実施目安は約12~15年に一度で、建物の劣化度合いや管理状況によって前後します。計画的に大規模修繕を行うことで、建物の安全性や美観を保ち、将来の修繕費用の急激な増加を防ぐ効果があります。

必要なタイミング(築年数ごとの修繕スケジュール)

大規模修繕の時期は築年数によっておおよその目安があります。初回は築12年前後に行うケースが多く、2回目は築25~30年頃、3回目は築40年超が目安です。築年が進むにつれて劣化箇所が増えるため、修繕範囲も拡大し工事費用も高額になる傾向があります。国土交通省の調査でも、築30年以上経過したマンションでは1戸あたりの修繕費用が150万円超になる例もありました。適切な時期に修繕を行わず放置すると劣化が深刻化し、後でより大きな費用負担につながるため注意が必要です。

大規模修繕で実施される主な工事内容

大規模修繕では建物全体を対象に様々な工事を行います。主な工事項目は以下の通りです。

  • 仮設工事(足場設置など)
    作業のため建物周囲に足場や防護ネットを設置します。工事の安全と効率を確保する重要な工程です。
  • 外壁工事
    外壁のひび割れ補修や塗装、タイルの補修・張替えなどを行い、雨水浸入を防いで美観も回復します。
  • 防水工事
    屋上やバルコニー、開放廊下などの防水層を改修します。古い防水シートや塗膜を更新し、雨漏りを防止します。併せて窓まわりのシーリング材も打ち替えます。
  • 鉄部塗装
    手すりや階段など金属部分の錆を落として塗装し直します。錆の進行を防ぎ、見た目もきれいに整えます。
  • 設備工事
    共用部の給排水ポンプや貯水槽の整備・交換、照明のLED化などを行います(設備更新は築年数が進んだ2回目以降に本格化することが多いです)。

なぜ大規模修繕が必要なのか?放置するとどうなる?

定期的な大規模修繕は建物の寿命を延ばし、居住環境の安全・快適性を守るために必要不可欠です。適切な時期に修繕を行わず放置すると、次のようなリスクが生じます。

  • 雨漏りや構造劣化
    屋上防水や外壁の劣化を放置すると雨水が浸入し、コンクリート内部の鉄筋が錆びて構造強度が低下する恐れがあります。外壁タイルの浮きも放置すると剥落事故につながり大変危険です。
  • 資産価値の低下
    建物の見た目が悪く劣化が目立つマンションは、売却や賃貸時に敬遠されがちで資産価値が下がります。「管理の行き届いたマンション」であることは資産価値維持の重要なポイントです。
  • 将来的な費用増
    小さな不具合を放っておくとやがて大規模な修繕が必要になり、結果的に出費が増えてしまいます。早めに対処しておけば少額で済んだものが、放置により倍以上の費用がかかるケースもあります。

以上の理由から、マンションの安全・資産価値を守るために計画的な大規模修繕は欠かせません。管理組合では長期修繕計画を策定し、適切なタイミングで確実に実行できるよう準備しておきましょう。

「大規模修繕はまだ先かな…」と後回しにしていると、気づかないうちに劣化が進行しているかもしれません。マンションの専門家(建築士やコンサルタント)に劣化診断を依頼すれば、修繕の必要性と適切な時期について客観的なアドバイスが得られます。早めの診断・計画で、将来の余計な出費を防ぎましょう。

大規模修繕の費用相場

1戸あたりの大規模修繕費用(平均相場)

大規模修繕にかかる費用はマンションの規模や工事内容によって差がありますが、目安として1戸あたり約75~125万円程度が初回修繕の相場とされています。
国土交通省の調査では、1戸あたり100~125万円程度の費用になったケースが全体の約3割と最も多く、75万円以下で済むことは少数派です。2回目・3回目の修繕では工事範囲拡大や物価上昇もあって1戸あたり150万円超かかる例も増えます。つまり、回数を重ねるごとに1戸あたり負担も上がる傾向があるため、早め早めの対策と資金準備が重要です。

引用元:令和3年度マンション大規模修繕工事 に関する実態調査

マンション規模別の費用相場(小規模~大規模)

マンション全体の総工事費は戸数規模によって異なります。一般に、小規模マンション(戸数が少ない)ほど総額は小さくても各戸の負担は大きく、大規模マンション(戸数が多い)ほど総額は大きい反面1戸あたり負担は軽減される傾向があります。

  • 小規模マンション(例:10戸程度)
    総工事費目安は約1,000万~2,000万円。1戸あたり100万~200万円と負担感が大きめです(足場など一定の固定費を少人数で負担するため)。
  • 中規模マンション(例:50戸程度)
    総額は3,000万~4,000万円前後が目安で、1戸あたり60万~80万円ほどになります。
  • 大規模マンション(例:100戸以上)
    総額は億単位(1~2億円以上)になるケースもありますが、戸数で按分すると1戸あたり80万~150万円程度に収まることが多いです。

※上記はあくまで目安で、建物の階数・構造や工事内容によって変動します。

工事項目別の費用目安

大規模修繕の見積書では、工事項目ごとに費用が積算されています。主な項目の費用目安を知っておくと見積比較の参考になります。

  • 外壁工事
    外壁塗装・補修にかかる費用で、総工事費の20~30%程度を占めることが多いです。
  • 防水工事
    屋上やバルコニーの防水改修費用で、総工事費の20%前後が目安です。
  • 仮設工事
    足場設置・撤去や養生にかかる費用で、**全体の20~30%**ほどになります。
  • 設備工事
    給排水管やポンプ交換など設備更新に要する費用。初回は少額で済む場合が多いですが、築25年以上で給水管更換やエレベーター更新を行うと数千万円規模になることもあります。

このように、大規模修繕費用の多くは外壁・防水・足場といった建物外部の工事が占めます。見積をチェックする際は、各項目の単価や数量が適切か、他社と比べて極端に高い/安い部分はないか確認しましょう。

大規模修繕費用の今後の動向

近年、大規模修繕にかかる費用は上昇傾向にあります。主な要因は建設業界の人手不足による人件費アップや、塗料・資材価格の高騰です。実際、10年前と比べ同規模の工事でも1割以上高くなるケースがあります。また、建物が古くなるにつれ工事範囲が広がりがちであることも費用増につながります。例えば1回目は表面的な補修だけで済んでも、2回目は配管交換や設備更新が加わり、3回目では耐震補強まで検討…といった具合に工事内容が増えていきます。

今後も急激に費用が安くなることは考えにくいため、管理組合は将来のコスト増を見越した資金計画を立てておくことが大切です。
長期修繕計画の費用見積りは定期的に見直し、建設物価の変動を反映させましょう。早めに対策すれば負担を平準化できますが、直前に慌てると一時金徴収など住民負担が重くなる恐れがあります。

2回目・3回目の大規模修繕の違い

2回目・3回目の修繕費用が高額になる理由

一般に大規模修繕は回数を重ねるほど費用が高くなる傾向があります。主な理由は以下の通りです。

劣化箇所の増加

建物が古くなるにつれ修繕すべき箇所が増え、工事範囲が広がります。1回目には不要だった補修が2回目では必要になることが多く、工事量が増大します。

設備更新の必要性

築20年以上になると、給排水設備や電気設備など共用設備の老朽化が進み、交換や改修が必要になります。これら設備更新工事は高額なため、2回目以降の費用が跳ね上がる一因です。

物価上昇

前回工事から10年以上経過すると、人件費・材料費の値上がりによって同じ内容でも工事単価自体が上がっている場合があります。

工事の高度化

建物の高経年化に伴い、耐震補強やバリアフリー化など付加的な改良工事を同時に行うケースもあります。性能向上リフォームを盛り込むとその分コストは増えますが、建物寿命を伸ばす投資とも言えます。

例えば国交省調査では、1回目の工事費用ボリュームゾーンが「4,000~6,000万円」だったのに対し、2回目では「6,000~8,000万円」の割合が増えるなど、明らかに費用水準が上がる傾向が報告されています。2回目・3回目は初回より数割費用増を見込んで資金計画を立てておきましょう。

長寿命化リフォームの検討ポイント

築年数が進んだマンションでは、「長寿命化リフォーム」を視野に入れることも大切です。長寿命化リフォームとは、現在の建物をできるだけ長く使い続けられるように性能向上や徹底補修を行う工事です。具体的な検討ポイントは次の通りです。

耐震性能の向上

耐震基準が古いマンションでは、壁の補強や耐震壁の追加など耐震改修を行い、地震に強い建物にします。大規模修繕と合わせて耐震補強を実施すれば、安全性向上と資産価値維持につながります。

インフラ更新

給排水管や電気設備など見えない部分のインフラをこの機会に一新すると、以後しばらく大規模な設備故障リスクを減らせます。特に水漏れ事故の多い古い鉄製配管などは交換・更新を検討しましょう。

省エネ・快適性改良

窓を二重サッシに交換する、断熱性能の高い塗料を使う、LED照明や高効率給湯器に替えるなど、省エネ改修も長い目で見れば有益です。日常の光熱費削減や快適性向上になり、マンションの付加価値も高まります。

バリアフリー化

高齢化に備え、手すり設置やスロープ設置など共用部のバリアフリー工事も検討しましょう。住み続けられるマンションづくりは結果的に資産価値の維持にも寄与します。

徹底した劣化補修

コンクリートの中性化や鉄筋腐食が見られる場合は、断面修復など専門的な補修を行い構造体を健全化します。表面だけでなく構造部分の劣化をしっかり直しておくことで建物寿命が延びます。

長寿命化リフォームは通常の修繕より費用がかさむ傾向がありますが、将来的な建て替えを遠ざけ、マンションをより長く使えるようにする投資と考えられます。管理組合と専門家で十分協議し、自分たちのマンションの将来像に合わせて検討すると良いでしょう。

修繕積立金の適正額と不足時の対処法

修繕積立金の適正額(㎡単価200円の目安)

大規模修繕に備えて毎月積み立てている修繕積立金ですが、どれくらいが適正金額なのでしょうか?国土交通省のガイドラインでは、専有面積1㎡あたり月額200円前後が長期的に見た適正水準の目安とされています。例えば70㎡の住戸なら月約14,000円という計算です。この金額は、新築から30年間の主要修繕工事費を平準化した場合の平均値に基づいています。

実際にはマンションの設備や仕様によって適正額は前後します。エレベーターが複数ある、高層で外壁面積が広い、共用施設が充実している等の場合はもう少し高めが必要です。一方、機械式駐車場など維持費がかかる設備の分は別途積み立てを考慮する必要があります。最近の分譲マンションでは、将来不足しないよう段階増額方式(築年とともに積立金を上げる)を採用し、初期は低め→将来は高めに設定する例も多いです。

重要なのは、長期修繕計画に基づいて将来必要となる修繕費を賄える水準に積立金を設定することです。もし現状の積立金額が上記目安より著しく低い場合、将来的に資金不足となるリスクが高いので見直しを検討しましょう。

長期修繕計画を見直すべきタイミングとポイント

マンションでは将来の修繕を見据えた長期修繕計画を策定していますが、これは定期的に見直しを行うことが推奨されています。見直すべきタイミングとポイントは以下の通りです。

大規模修繕工事完了後

実際の工事費用や内容を踏まえ、長期修繕計画の今後の部分をアップデートします。今回実施しなかった工事を次回に織り込む、費用実績を次回以降の見積に反映するなど、リアルな数字に修正します。

築年数経過に応じて

築10年、20年、30年…と節目ごとに劣化状況を再評価し、計画を調整します。劣化診断の結果、当初予想より早めに修繕が必要な箇所が判明したり、逆に状態が良好で先延ばしできるものがあれば、計画時期を修正します。

工事費単価の変動

5~10年も経てば工事費相場が変わります。直近の見積もり事例や建設物価指数を参考に、長期計画に載せている費用を見直します。例えば足場費や塗装費が上昇傾向なら、将来予算も増額修正しておく必要があります。

制度や技術の変化

補助金制度の新設や工法の進歩など、環境変化にも対応します。例えば行政から耐震改修補助が出るなら計画に組み入れる、より耐久性の高い材料が出たなら採用して次回修繕周期を延ばす検討をする、等です。

長期修繕計画はマンションの将来像を描くものですから、状況に応じ柔軟に見直すことが大切です。管理組合だけで判断が難しい場合は、マンション管理士や建築コンサルタントなど専門家にアドバイスを求めましょう。計画を常に最新・適切な状態に保つことで、資金面でも工事面でも余裕を持った対応が可能になります。

大規模修繕の流れとスケジュール

大規模修繕の流れ(計画から完了まで)

マンション大規模修繕は準備段階から工事完了まで、概ね以下のステップで進められます。

  1. 事前調査・劣化診断

専門家による建物診断を実施し、劣化状況を把握します。外壁や屋上、防水や鉄部の状態を調査し、修繕すべき箇所を洗い出します。

  1. 計画立案と合意形成

管理組合内に修繕委員会を組織し、診断結果をもとに工事内容や概算費用、資金計画を検討します。同時に、住民への説明会開催やアンケート実施などで合意形成を図り、総会で工事実施の承認を得ます。

  1. 施工業者の選定

複数の施工会社から見積もり提案を取り、比較検討のうえ発注先を決定します。設計事務所に監理を委託する場合はこの段階で契約します。総会決議で契約内容(工事請負契約)を承認します。

  1. 工事契約・着工準備

施工会社と正式契約を結び、工事スケジュールや注意事項の詳細打ち合わせを行います。工事開始前に近隣住民やマンション居住者への工事説明会を開き、協力をお願いしておきます。

  1. 工事着工・仮設工事

足場の組立や防護ネット設置など仮設工事からスタートします。建物全体がシートで覆われ、本格的な修繕工事が始まります。

  1. 本工事の施工

外壁補修・塗装、防水処理、鉄部塗装、設備工事など計画した各種工事を順次進めます。工事期間中は定例打合せで進捗と今後の予定を共有し、問題があれば随時対処します。

  1. 竣工検査・引き渡し

全工事完了後、管理組合立会いのもと竣工検査を実施します。仕上がりや不具合の有無を確認し、必要に応じて手直し工事を経て合格となれば引き渡しです。

  1. アフター対応

工事終了後も、施工会社による定期点検や保証期間内の無償補修などのアフターサービスがあります。管理組合は工事記録や保証書類を保管し、次回修繕に備えていきます。

以上が大まかな流れです。初めてだと長く感じますが、事前準備と段取りをしっかり行えばスムーズに進められます。

工事期間の目安(規模別の工期)

大規模修繕工事に要する期間は、マンションの規模や工事内容によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

  • 小規模マンション(~20戸程度): 約2~3か月
  • 中規模マンション(50戸前後): 約4~5か月
  • 大規模マンション(100戸以上): 約6~8か月(場合によっては1年程度)

例えば、5階建て20戸のマンションなら2か月強で終わることもありますが、15階建て50戸では4~5か月、タワーマンション規模になると足場ではなくゴンドラを使っても半年以上かかることがあります。工期は季節(梅雨や台風時期を避けるなど)や作業効率も考慮して設定されます。

注意したいのは、計画より遅延しないよう余裕を持ったスケジュールにすることです。雨天や強風で外装工事が中断する日も出てきますし、予期せぬ追加工事が発生することもあります。無理のない工程を組み、定例打合せで進捗を管理しながら進めれば、大幅な遅れなく完了できるでしょう(万一遅延しそうな場合は早めに職人増員などでリカバリーします)。

居住者への影響を最小限に抑える対策

大規模修繕工事中、マンションに住みながら工事と付き合う居住者への配慮も大変重要です。以下のような対策で影響を軽減します。

工事内容・スケジュールの周知

着工前に居住者説明会を行い、工事の概要や期間、注意事項を説明します。工事中も定期的に「○月○日~○日は◯号棟の塗装工事」といったお知らせを配布し、住民が見通しを持てるようにします。

騒音・振動への配慮

騒音の大きい作業は時間帯を限定(例:午前10時~午後4時のみ)し、早朝や夜間は作業しません。特に音の出る工事は計画的に日程を組み、長時間連続して騒音が続かないよう工夫します。

臭気・粉じん対策

塗装や防水で発生する臭気には、できるだけ低臭の材料を使う、換気に注意するなどします。足場にはメッシュシートをかけて塵埃の飛散を抑え、共用部はこまめに清掃して清潔を保ちます。洗濯物も工事中は外干しを控えてもらうなど周知します。

プライバシー保護

足場から室内が見えてしまうことがあるため、居住者にはカーテンを閉めるなど協力を呼びかけます。作業員にも窓をのぞかないよう厳守させます。必要に応じて目隠しシートを張ることも検討します。

マンションの大規模修繕に関するよくある質問

Q: 大規模修繕の見積もりはどのように判断すればよい?
A: 複数社から相見積もりを取り、価格と工事内容の両面で比較検討することが大切です。まず各社の合計金額を比較しつつ、内訳項目(塗装何㎡、防水何㎡など)の数量と単価をチェックします。他社と極端に違う点があれば理由を確認しましょう。不明な点は各社に質問し、納得いく説明が得られるかも判断基準です。また、価格が安すぎる場合は手抜きのリスク、逆に高すぎる場合は不要な工事が含まれていないか注意します。最終的には総合判断で、「提示内容に納得でき信頼も置ける業者」を選ぶと良いでしょう。

Q: 修繕積立金が不足している場合、どうすればいい?
A: 対策はいくつかあります。(1) 月々の積立金を増額する:将来にわたり根本的に資金を確保する方法です。(2) 一時金を徴収する:不足分を各戸から臨時で集めますが負担感が大きいため金額設定と合意形成が課題です。(3) 金融機関から借入する:管理組合としてローンを組み、長期で返済する方法です。金利負担がありますが急場はしのげます。この他、工事内容を精査して優先度の低いものを次回に回す、助成金を活用して費用を補填するなどの方法もあります。大切なのは、組合員に現状を丁寧に説明し、早めに合意形成して対策を打つことです。

Q: 大規模修繕の助成金や補助金はどこで確認できる?
A: 国土交通省や自治体のホームページで公開されています。例えば国交省の住宅関連補助制度一覧や、お住まいの市区町村の「住宅・建築」分野のページなどです。キーワード「マンション 修繕 補助金 ○○市」で検索すると情報が出てきます。また、公益財団法人マンション管理センターのサイトでは各自治体のマンション改修支援制度一覧が掲載されています。管理会社やコンサルタントも最新情報を把握していることが多いので、相談して紹介してもらうのも良いでしょう。補助金は毎年内容が変わる場合があるため、常に最新情報を確認するようにしてください。

Q: 大規模修繕は管理会社に依頼するべき?それとも施工会社に直接依頼するべき?
A: 一長一短です。管理会社経由の場合、窓口が一本化され楽ですが、提携業者への発注が多く費用が割高になる傾向があります。直接発注の場合、相見積もりで競争させられるためコストを抑えやすいですが、管理組合側の手間や専門知識の負担が増えます。両者の中間的な方法として、コンサルタントを起用して直接発注をサポートしてもらうケースもあります。管理組合の状況や重視するポイントによりますが、費用面を重視するなら直接発注+コンサル活用、手間を省きたいなら管理会社経由という選び方もあります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、適した方法を選択しましょう。

Q: 大規模修繕の際、住民の合意形成がうまく進まない場合の対処法は?
A: まず反対や不安の理由を丁寧に聞き取りましょう。費用負担への不安なのか、工事の必要性に疑問があるのかなど原因別に対応します。費用面なら将来のシミュレーションを示し「今行わない方がトータル費用が増える可能性」を説明する、必要性への疑問なら劣化写真や専門家の診断結果を提示し説得する、といった具合です。専門家(コンサルタント等)に住民説明会で中立的な立場から解説してもらうと納得が得られやすいこともあります。また、全てを一度に実施せず計画を分割し負担を軽減する妥協案を提示するのも一つです。合意形成には時間がかかる場合もありますが、透明性の高い情報提供と話し合いを重ねることで、少しずつ理解者を増やしていくことが大切です。

以上、マンションの大規模修繕について初心者向けにポイントを解説しました。定期的な大規模修繕はマンションの安全性と快適性を守り、資産価値を維持するためのとても重要なイベントです。長期的な視点で計画を立て、適切な準備と信頼できるパートナー選びによって、きっと満足いく修繕工事が実現できるでしょう。この記事を参考に、ぜひあなたのマンションでも将来の大規模修繕に備えてみてください。

マンションの大規模修繕について、「何から始めればいいか分からない」「専門家の意見を聞いてみたい」という方はお気軽にご相談ください。当社はマンション大規模修繕のコンサルティングや工事サポートの実績が豊富です。現状の診断から計画策定、施工会社選びまでトータルでお手伝いいたします。大切な住まいを末長く守るために、ぜひプロの力を活用してみませんか?お問い合わせお待ちしています。

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